西洋の日本観

14. ヘイ 『日本・インド・ペルー書簡集』 1605年

HAY, John. De rebvs Iaponicis, Indicis, et Prevanis epistolæ recentiores. Antwerpiæ, ex officina Martini Nutij, 1605. / 8vo. Pagès 103; Cordier BJ 246; Laures 271; Streit V.58.


『日本・インド・ペルー書簡集』 1605年


 ジョン・ヘイ(1546-1607)はスコットランド出身のイエズス会士。彼の晩年の編著であるこの書簡集は、アントワープの書韓マルティン・ヌイツがマフェイの再版を企画した際に、その続巻として編纂されたもの。小型八折版にびっしりと小さな活字で印刷された、約一千頁の本文のうち三分の二がイエズス会宣教師による日本書簡が占めています。これらはマフェイの日本書簡集に含まれていない、1577年から1601年の書簡であり、既存のラテン語版ないしヘイ自身のラテン訳で収録されています。戦国日本の激動とキリスト教布教の大きな転換期を伝える、これらの資料を纏めた好適な編著として知られます。

 この時期のオランダでは、自国のさまざまな航海の記録が大量に出版されていましたが、カトリック圏のアントワープではこれとは対照的に、イエズス会のアジア布教文献の刊行が盛んにおこなわれています。