西洋の日本観

20. ピント 『遍歴記』 英訳・1653年

PlNTO, Fernão Mendes. The Voyages and adventures of Fernand Mendez Pinto, a Portugal : during his travels for the space of one and twenty years in the Kingdoms of Ethiopia, China, Tartaria, Cauchinchina, Calaminham, Siam, Pegu, Japan, and a great part of the East-Indiaes. Done into English by H.C.Gent. London, printed by J. Macock, for Henry Cripps, and Lodowick Lloyd, 1653. / Folio. Cordier BJ 39; Laures 460.


ピント 『遍歴記』 英訳・1653年


 十六世紀ポルトガルの旅行家、メンデス・ピントの記録。その生まれは1510年頃と推定され、二十四歳から二十二年間にわたって世界各地を遍歴しました。本書は彼が晩年に帰国してから執筆され、出版されたのは没後三十一年をへた1614年のことです。彼が訪問したとする国々についての記述には、信懸性の疑わしい点が多いものの、当時の冒険家の息吹が感じられる興味深い作品といえるでしょう。

 ピントは1542年種子島に上陸して鉄砲を伝えたと自称し、つごう四回にわたって日本に来たと述べています。1547年鹿児島出身の漂民ヤジロウをゴアヘ連れていったのもピントと考えられます。

邦訳:岡村多希子訳『東洋遍歴記』(東京・1979-80) (969.5/P66)